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環境設備

集塵機の基本知識と導入ポイント | 株式会社シーエフエス解説

集塵機(しゅうじんき)は、製造業や建設現場、食品加工工場など、さまざまな現場で発生する粉じんや煙を吸い込む装置で、作業環境を快適かつ安全に保つために欠かせない存在です。

本コラムでは、集塵機を含む環境設備の導入やメンテナンスをはじめ、工場内における一般工事、工場保全工事を幅広く手がける株式会社シーエフエスのノウハウをもとに、集塵機の基本知識から種類や仕組み、導入・運用のポイントを分かりやすく解説。

初めて集塵機の導入を検討する方はもちろん、集塵機の更新を検討している方にとっても役立つ内容をお届けします。

集塵機の基本知識

まずは、集塵機を導入する際に知っておきたい基本知識と、選ぶ際に重要な種類について解説します。

集塵機とはなにか

集塵機とは、作業中に発生する粉じんや有害ガス、悪臭などを吸い込み、回収するための装置です。空気中を浮遊する微細な物質は作業環境を悪化させるだけでなく、機械トラブルや作業者の健康被害につながる恐れがあります。

集塵機は、こうしたリスクを軽減し、現場環境を安全かつ快適に保つ重要な役割を担っています。

その設置場所は幅広く、鋳物、鍛造、鉄骨などの金属素材系工場をはじめ、ヒュームが発生する金属加工工場、石膏やカーボンを取り扱う工場、食品粉末が発生する米菓工場など多岐に渡ります。

家庭用掃除機と似たイメージを持たれることもありますが、集塵機は空気中に浮遊する物質を吸い込んで回収することができるため、床のゴミを吸い込む掃除機とは用途も導入される目的も異なります。また、連続運転や大量の粉じん処理を前提に設計されていて、産業用途に特化している点も大きな違いです。

集塵機の種類と特長

集塵機の主な種類

集塵機には、吸収したい粉じんの性質や用途に応じてさまざまな種類がありますが、パルスジェット方式と機械シェーキング方式という2つの種類に大きく分類されます。

いずれもバグフィルター(ろ布)に付着した粉じんが目詰まりしないように払い落とすための仕組みのことで、パルスジェット方式は圧縮空気(エア)を内部に吹き込むことでフィルターを膨らませて落とします。一方、機械シェーキング方式は、フィルターを物理的に振動させて粉塵を払い落とす構造を持ちます。

さらに、フィルターの種類にはプリーツ式、円筒式、封筒式、樹脂、湿式などの種類があるため、吸い込む粉じんの粒子の大きさや性質によって適切なタイプを選ぶことが重要です。たとえば、可燃性や爆発性がある粉じんの場合には、プリコート投入装置や水を用いて粉じんを捕集する「湿式」タイプを選択する必要があります。

各種類の特長と用途

ここからは、パルスジェット方式と機械シェーキング方式の特長と用途について解説します。

パルスジェット方式は、フィルターについたダストを圧縮空気によって素早く確実に払い落とし、安定した性能を維持することができます。高濃度の粉じんの集塵に適していて、コンパクトな設備で連続運転が可能なため、現在では集塵機の主流になりつつあります。

さらに圧力変動が少なく、生産ラインへの影響が少ない点もメリットです。多彩なラインナップから粉じんの性状に合わせたフィルターを選べるので、幅広い用途に対応できます。

機械シェーキング方式は、フィルターのダストを払い落とす際の圧縮空気が不要なため、シンプルな構造が特徴で、比較的低コストで導入することができます。一般的な機械シェーキング方式の集塵機は、ダストを払い落とす際に運転を停止させる必要がありますが、他室構造によって連続運転ができるタイプもあります。

集塵機を選ぶ際には、「どのくらいの粒子の大きさで、どのような性質の粉じんが、どの程度発生するのか」「設置スペースや運用条件はどうか」といった点を踏まえた検討が重要です。

集塵機の仕組みと性能

次に、集塵機によって粉じんがどのように集められるかを解説します。

集塵機の基本的な仕組み

集塵機は、掃除機とよく似た仕組みで粉じんを吸収します。

まず、モーターによってファンを回すことで空気を吸引し、粉じんを含んだ空気を内部に取り込みます。その後、フィルターや分離装置を通して粉じんのみを回収し、浄化された空気を排出します。空気から分離された粉じんは排出口に集められます。

この一連の流れを繰り返すことで、空気中に浮遊する粉じんなどの汚染物質を取り除き、現場環境を快適に保ちます。

なお、広い範囲の粉じんを吸いたい場合はフード及びダクトが大きくなり、作業者の手元など限定された範囲の粉じんを集めたい場合はダクトが小さくなります。粉じん発生源の環境に合わせたフード(吸い込み口)の形状も重要です。

集塵機の性能指標(風量・ろ過面積)

集塵機の性能を示す指標には、集塵率や吸引圧などさまざまな数値がありますが、導入時に特に注目したいのが風量(処理風量)とろ過面積です。

風量は、集塵機が一定時間で吸い込む空気の体積を表す値です。1分間(min)に吸い込む空気の体積(㎥)で集塵機の性能を表すのが一般的で、(㎥/min)という単位で表します。風量の値が大きいほど、粉じんを吸い込む能力が高いことがわかります。

ろ過面積は、粉じんをろ過するフィルター(ろ布)の面積を表す数値です。同じ風量でもろ過面積が広いほど、一度に大量の粉じんを処理することができます。また、ろ過面積が広いほど、フィルターの目詰まりが起こりづらく、吸引力が落ちにくいという特徴があります。

いずれの数値も高ければよいというものではなく、実際に導入する現場の環境や目的・用途に適した性能の集塵機を選ぶことが大切です。数値計算や能力選定には専門知識が必要なので、検討段階で実績のある集塵機メーカー及び代理店に相談するのがおすすめです。

集塵機の導入と運用

続いて、集塵機を導入する実際の流れと設置後の運用方法、メンテナンスについて説明します。

集塵機の導入方法

ここでは、株式会社シーエフエスにお問い合わせをいただいた場合を例に挙げ、集塵機を導入する流れを解説します。集塵機導入には、問い合わせから設置完了までおよそ半年〜1年半の期間を要します。工場の新設や増設を予定している場合は、余裕を持って早めに動き出しましょう。

STEP1:問い合わせ

まずは、当社に問い合わせをいただきます。集塵機メーカーに直接問い合わせを行う方法もありますが、新潟県及び近県の場合、当社が代理店として設置工事を担当させていただくケースがほとんどです。当社は、設置工事はもちろん、導入に必要なダクトの設計や集塵機設置に伴う関連工事、点検・メンテナンスまで一貫で対応できますので、担当者様のご負担を軽減することができます。

STEP2:現場確認・ヒアリング

当社専門スタッフが集塵機を設置する現場を訪れ、集塵機導入の目的や用途、粉じんの発生源となる機械、集塵を行う規模(空間)を確認します。現場の課題を明確にした上で、粉じんの種類や発生量、作業工程を把握し、必要に応じてメーカーとも連携をとりながら適切な機種を選定します。知識と経験をもつ専門スタッフが現場確認を行うことで、導入後のミスマッチを防ぐことができます。

STEP3:集塵機の設計

現場確認で集めた情報をもとに、メーカー及び当社にて集塵機を設置するための設計図を作成します。特に大型の集塵機を導入する際には、各現場に合わせたダクトの経路設計が肝となります。現場作業に支障のないレイアウト考案から、効率よく吸気するために最適なフードの設計まで、現場のニーズをCADを用いて設計図に落とし込んでいきます。

STEP4:集塵機の提案・費用の見積もり

現場環境や用途にマッチする集塵機の提案と、設計図をもとにした費用の見積もりが提出されます。

STEP5:契約・発注

社内での承認が済んだら、正式に契約を結びます。契約が完了したあとは、設計図をもとにメーカー及び当社が製作工程へと進みます。

STEP6:施工工事

集塵機の施工工事は、大型で2週間、中型で1週間、小型で3日前後の期間を要します。

設置工事で操業を停止しなければいけないケースもありますが、当社の場合は、土日など休業日に工事を行うことで現場の負担を最小限に抑えています。

導入後の点検とメンテナンス

集塵機を安定して使用するためには、定期的な点検とメンテナンスが欠かせません。フィルターの目詰まりや部品の劣化を放置すると、性能の低下を招くだけでなく、粉じんの漏洩・飛散が発生したり、最悪の場合、集塵機が動かなくなってしまう恐れもあります。

こうしたトラブルを防ぐためには、集塵機についているフィルターの詰まり具合を表すメーターを確認する、排出されたダストを適切に処理する、集塵機の心臓であるモーター部分に油を注す…といった日常的なメンテナンスが大切です。

当社のお取引先の中でも、日常的に点検を行っていたり、故障する前に定期的に部品を交換したりと、予防的なメンテナンスを行っているお客様は安定して集塵機を運用しています。

万が一、「集塵機の吸い込みが悪い」「集塵機が動かなくなってしまった」というトラブルが発生した際には、早急に当社にご連絡ください。

導入事例

次に、当社が実際に施工した集塵機の導入事例を紹介します。

株式会社会津工場様は、福島県南会津地区で鋳造業を営む会社で、金型の設計・制作から、鋳物の溶解、鋳造、検査、加工まで社内で一貫生産しています。

当社では、工場の新設に合わせて、大型集塵機を含む環境設備の導入工事をお任せいただきました。

株式会社会津工場に設置した集塵機の様子

「環境に配慮した設備を」というご要望のもと、鋳物から発生する煙や粉じんを吸引する集塵機に加え、モノレールブラスト用の集塵機を導入しています。

ダクトの経路設計から設置工事までを一貫して対応し、工事もスムーズに進行したことで、「とても助かった」とのお声をいただきました。

集塵機は、鋳造工場で働く作業者の健康を守るとともに、周辺環境への配慮においても重要な役割を担っています。

集塵機に関連する法規制

冒頭でも触れましたが、粉じんや微細なゴミ、有害ガスは作業者の健康を蝕む原因となります。

その危険性は高く、「じん肺」という深刻な病気を引き起こすこともあります。じん肺は、粉じんの発生する環境で仕事をしている人が、その粉じんを長期間にわたって多量に吸い込むことで、肺の組織が次第に壊れ、硬くなって弾力性を失ってしまう病気です。

初期症状は息切れや咳などですが、進行すると呼吸困難を引き起こします。一度じん肺にかかると、粉じん作業をやめたあとも病気は進行し、気管支炎や肺がん、気胸といった合併症にもかかりやすくなります。

そのため、作業環境を安全に保ち、作業者の健康を守るように努める責務が事業者には法律で課せられています。ここからは、集塵機に関連する法規制について解説します。

粉じん障害防止規則について

粉じん障害防止規則とは、労働安全衛生法及び労働安全衛生法施行令の規定に基づいて、定められているものです。

この規則では、粉じんにさらされる労働者の健康障害を防止するため、設備、作業工程または作業方法の改善、作業環境の整備等、必要な措置を実施するように努めなければならない旨が記載されています。

作業環境を安全に保ち、作業者の健康を守るためには、集塵機の設置や適切な管理が重要になります。

環境保護に関する法

大気汚染防止法では、固定発生源(工場や事業場)から排出または飛散する大気汚染物質について、物質の種類ごと、施設の種類・規模ごとに排出基準等が定められており、大気汚染物質の排出者等はこの基準を守らなければならないとされています。

集塵機は、工場や建設現場の周辺環境への粉じん飛散を抑える役割も担っています。環境保護の観点からも、適切な粉じん対策は企業に求められる重要な取り組みの一つです。

まとめ

集塵機は、現場の安全性や作業効率、環境保全を支える重要な設備です。導入にあたっては、基本的な仕組みや種類を理解し、現場に合った機種を選ぶことが大切です。

株式会社シーエフエスは、新潟県を中心に、近県(山形県・福島県・富山県・群馬県)でも集塵機導入をトータルでサポートし、現場に最適な提案を行っています。

経験知識ともに豊富なスタッフがそろっているので、導入後の点検やメンテナンス、修理まで安心してお任せいただけます。集塵機の導入・更新を検討されている方は、気軽にご相談ください。

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